安全率の定義

安全率(Fs:Safety Factor)は抵抗力÷作用力で定義されます。また分子に抵抗モーメント、分母に作用モーメントが入る場合もあります。安全率の計算は、力でもモーメントでも応力度でも構いませんが、分母・分子の単位が揃っている必要があります(安全率の単位は無次元)。
安全率の大小関係
| Fs<1 | 壊れるかも |
| Fs=1 | 抵抗力=作用力(安全) |
| 1<Fs | 安全 |
安全率は、分野によって値が大きく異なります。例えば機械部品では、Fs=1.5が採用される場合が多くあります。またFs=5のように安全率が大きくとられる場合もあります。
基本的には、死亡事故につながる場合や正確に計算できない場合には、安全率を大きく設定します。反対に破壊が起こっても大きな問題にならない場合や正確に計算できる場合には、安全率を小さく設定します。基本的にはFsは1以上が用いられますが、Fs=0.95のように1を下回る値に設定されることがあります。
安全率は、なぜ必要か
例えば機械部品について考えると、経年劣化や材料の品質によって、強度にバラツキがあります(抵抗力の低下)。また想定よりも大きな力がかかる場合があるかもしれません(作用力の増加)。この2点に対応するために、最低限必要な強度よりも強く作っておきます。

上のグラフでは、赤い曲線が製品の強度の分布(正規分布)を表しています。安全率を1に設定すると、半分の確率で強度が足りません。

2番目のグラフでは、安全率を1.5に設定しています。赤い曲線は右側に移動し、Fs=1よりも左側の面積は小さくなっています。したがって製品が壊れる確率も小さくなります。安全率を大きくとるほど故障の確率は小さくなりますが、安全率を小さくとるほど経済的です。

