「コア」について

オフィスビルは、執務室とコアに分けられます。コアには、階段やエレベーター、トイレ、機械室、パイプスペースなどの共有部が集められています。執務室は、いわゆるオフィススペースのことで、柱の無い広い空間が求められます。ビルの用途や規模により、適切なコアの配置が選択されます。
コアの配置を検討する際に、偏心を防ぐこと、執務室の面積を最大化すること、2方向避難の動線を確保することなどを考える必要があります。コア部分は地震に耐えるための耐震壁が配置されることが多くあります。耐震壁が機能するように、また建物の変形が起こらないようにコアを配置する必要があります。加えて大規模なオフィスビルでは、火災時の避難動線を確保する必要があります。
基準階とレンタブル比
オフィスビルの多くは、基準となる平面計画(間取り)があり、同じ平面が積み重なって構成されています。1階にエントランスがあり、2階以上はどの階も同じ平面計画になっていることが多いです。このような基準となる平面計画を基準階と呼びます。
賃貸オフィスにおいて、収益部分となる執務室を最大化することが重要です。そこで基準階の面積に対する収益部分(執務室)の面積の割合を考えます。これをレンタブル比と呼びます。中小規模なオフィスビルではレンタブル比が80%程度、大規模なオフィスビルではレンタブル比が70%程度になります。
コアの種類

コアの配置は、そのオフィスビルの用途や規模に応じて選択されます。センターコアや片寄せコアが多く採用されます。では次にそれぞれのコア配置の特徴を解説します。
片寄せコア(偏心コア)
片寄せコアは主に、床面積が小さいオフィスビルに採用されます。床面積が小さいオフィスビルで、柱の無い大空間の執務室を作る場合に適しています。コアがある外壁面は、開口を大きくとることが出来ないため、隣の建物が近く日射が期待できない面にコアを配置することが多いです。
耐震壁を含むコアと大空間の執務室の強度関係から、極端な偏心を防ぐ平面計画を行う必要があります。またその関係から高層のオフィスビルには、適していません。賃貸オフィスの場合には、それぞれの執務室とコアとを連絡する通路が必要となるため、床面積が大きい場合には、レンタブル比が低くなりやすいです。
分離コア
分離コアは、執務室を自由な形状にすることができること、自由な位置にコアを接続できることが特徴の配置です。変形地にオフィスビルを建てる場合でも、利用しやすい長方形の平面を作ることに向いています。
コアと執務室が構造的には分離されているため、執務室単体で十分な耐震性を実現する必要があります。したがって、執務室内に柱を配置する場合や、外壁に耐震性能を持たせる必要があり、制約が生まれやすいです。
センターコア(中央コア)
センターコアは、レンタブル比が高くなりやすい配置方法です。賃貸オフィスの場合には、執務室とコアとを結ぶ通路を作りやく、効率的な平面計画になりやすいです。また外に面する環境が良い執務室の割合が多くなりやすいことが特徴です。
中央に配置されたコアに耐震壁を設け、外壁はカーテンウォールによって日射を確保する場合が多いです。床面積が小さい場合には、執務室のスパンが小さくなりやすいため、適していません。高層で床面積が大きいオフィスビルには、センターコアが多く採用されます。中央のコアのみで耐震性能を確保している場合には、自由な平面計画にすることが出来ます。
両端コア
両端コアは、執務室の両サイドにコアを配置する方法です。2方向避難の動線を確保することに適しています。賃貸オフィスでは、両端に配置されたコアを結ぶ通路が必要になるため、レンタブル比が低くなりやすいです。また執務室の床面積が大きい場合に、両端のコアの間隔を広げることが難しいです。したがって比較的床面積が小さい、自社ビルに採用されやすいです。


